トップモノづくりパートナー紹介職人技と最新設備で小ロット革加工に対応、篠原刃型
1979年の創業時から、スウェーデン鋼という金属を使った抜き型を製作し、皮革加工を手掛ける篠原刃型。職人技が詰まった抜き型製作には定評があります。加えて、個性を生かした多品種小ロットでの加工の時代が来ると予見し、CAD・CAMデータで革や紙を加工できる自動裁断機による製作も手掛けています。同社にとって大きな挑戦でしたが、加工の幅が広がったことで、クリエイターのチャレンジを応援できる体制が整いました。
多くのクリエイターの方々からご相談を受けるのは、小ロット生産の発注についてです。同デザインの靴をサイズ違いで少量つくりたいというようなご希望が多いですね。
今は、同じものを大量に生産し消費するという時代ではなく、少しずつデザインや色、サイズが違うものをつくり、多様化する消費者ニーズに応える時代。ただ、工場側のコストや効率を考えると、大量生産でないと受けられないという会社も多いので、弊社のように多品種・小ロットでも対応できる会社にご相談いただけるのだと思います。
また、従来のスウェーデン鋼抜き型では実現できない、細かなデザインの裁断を相談されることも増えてきました。弊社では、CAD裁断や、部分的にスウェーデン鋼裁断をおすすめするなど、生産ロット数やデザインによって、最適な裁断方法をご提案しております。
コラボレーションして自社商品を製造したことはありませんが、プロダクトデザインの段階から完成に至るまで、裁断のアドバイスをした事例があります。デザイナーの方が疑問に感じる点が、私たちにとっては身近すぎて考えたこともないことだったり、互いが重要視している部分が違っていたりで、やり取りに苦労しながらも、とても新鮮な経験でした。
また、私たちが機械の特性や加工技術を理解しているがゆえに、「これはできない」とすぐに判断してしまっているかもしれないと気付かされたこともありました。
技術的に不可能だとデザイナーに説明したとき、自分たちにはない視点から意見をいただくことで「本当にできないのか」と、一度食い下がって考える機会になりました。「違う方法でやってみたらどうか」といったアドバイスや、日常的に作業をしていると考え付かないアイデアをデザイナーの方からいただいたことで、弊社の技術力も向上したと感じます。
CAD/CAMを使用した裁断、また、CAD/CAMと「スウェーデン鋼抜き型」を併用した裁断を得意としています。多品種小ロットに対応できることが弊社の特徴です。
靴・鞄・小物等の製作に使用する「スウェーデン鋼抜き型」は、創業以来40年以上つくり続けており、歪みなく型を曲げていく正確性と、お客様の要望を理解した上での型づくりには自信があります。
また、靴に施すメダリオンまでカットできる、自動裁断機の可能性を広く知ってもらおうと企画したのが『レザープラネット』という製作キット。細かな切れ目の入った1枚革から、指で立体に仕上げていくリアルな動物フィギュアは評価され、大手クラフトショップでの販売やイベントにも出展するほど好評をいただいています。
台東区・荒川区・足立区・墨田区・葛飾区の5区でものづくり産業の活性化を目指すプロジェクト「TASK」の工場見学会では、多くのクリエイターの方々にお越しいただき、直接お話できる機会となっています。
また、ホームページ内の「お問い合わせ」からご連絡いただければ、いつでも相談に乗ることができます。
その他、自社製品をPRするため、ギフトショーやインテリアライフスタイル展にも出展しています。弊社の人気製品である「レザープラネット」を使ったワークショップも、様々な場所で開催しています。
フリーライター。周囲の人や町の魅力を言葉で誰かに届け、私のあずかり知らないはじまりを作れたらと思います。明日が少し楽しくなるきっかけの時間「旅する図書館」というサロンをさまざまな場所をお借りして開いています。https://www.facebook.com/travelinglibrary.ultreya/