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2017.10.24
想いを形にするブランディングでファンをつくる 「anima garage」|訪問型セミナーSpeak East vol.6(10/18開催) #イベントレポート

anima garage代表の福島慶太さん(右)と、メトロ設計の小林一雄さん

anima garage代表の福島慶太さん(右)と、メトロ設計の小林一雄さん


東東京で活躍する方々の仕事現場におもむき、創業の体験談や東東京の魅力をお聞きする訪問型セミナー「Speak East」。話題を集めるスポットを訪問し、先輩起業家である各オーナーからリアルな創業体験をお聞きしています。

今回のSpeak East Vol.6では、下町の雰囲気あふれる荒川区町屋で、電気屋さんでありながら豊かな感性でセレクトした生花やアンティーク雑貨などが並ぶanima garageを訪問。店舗を起点に環境や教育へもアプローチ、現在では空間コーディネートまで手掛ける、代表の福島慶太さんにお話を聞きました。

【日時】
2017年10月18日(水)19:00−21:00(開場18:30)

【会場】
anima garage(荒川区荒川7-34-2)
https://www.facebook.com/animagarage/

【ゲスト】
福島慶太 氏 (anima garage)

【ファシリテータ】
小林一雄 氏 (メトロ設計株式会社 代表)

【タイムテーブル】
18:30 – 19:00 会場受付
19:00 – 20:00 トークセッション
20:30 – 21:00 質疑応答
21:00 - 交流会

語り合いたくなる癒しの空間

電気店とは思えない、花やアンティーク雑貨が並ぶ店内

電気店とは思えない、花やアンティーク雑貨が並ぶ店内

トークセッションの会場となったのは、花やアンティーク雑貨が並び、まるでおとぎの国のような店舗の横にあるガレージ。温もりあるライティングで演出されたスペースには、場づくりや創業に興味がある方を中心に約15名が集まりました。

まずはイッサイガッサイの幹事社でもあるメトロ設計株式会社の小林さんのファシリテーションのもと、anima garageの成り立ちをお聞きしました。

anima garageは荒川区で3代続く電気工事屋さん。福島さんの祖父が東京電力から独立して60年、福島電設株式会社となってから40年以上の歴史があります。

福島さんは高校生の頃から時々アルバイトで手伝いをしていましたが、「単調な作業の繰り返しで、ほんとに面白くなかった」と笑顔で当時を振り返ります。

anima garageがはじまるまで

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高校在学中の保育園児との交流がきっかけとなり、卒業後は保育士の道を志した福島さん。「教育を良くしたい!」と真剣に取り組むものの、既にできあがった体制のなかで自身の無力さを痛感して断念。続いて教育を含めた福祉分野で先進的な取り組みを続ける北欧で学ぶ道を模索しはじめます。

しかし、「とりあえず海外へ行ってみたほうが良い」という友人の助言で訪れたイギリスではわずか2日でホームシックに……。帰国後は、料理が好きだったシェフの道を志したこともありましたが、それも長続きせず。自分の不甲斐なさと恥ずかしさのどん底で、「これは家業を継ぐしかない」と覚悟を決めたそうです。

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しかし、周辺では廃業する工務店が増え電気工事の発注は減少傾向。なんとか自ら営業で仕事を獲得するため、照明と併せてカフェやレストランに置いてもらえそうなアンティーク雑貨や鉢物の取り扱いをスタートしました。それらに興味を惹かれて来店した人に、電気屋さんであることを少しずつ伝えていったそうです。

想いを発信することで自分に合ったお客様をみつける

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現在では空間演出の仕事も手掛けている福島さん。空間に興味を抱いたのは、教育や環境について発信したいという想いからと言います。空間を通して自身の哲学や想いを表現しながら、共感して来店したお客様に対して、ライフスタイル全般にわたり提案していこうと考えたそうです。

保育士や海外留学、料理の道など、心の向くまま手当たり次第に行動していたように見えますが、本人は常に本気。だからこそ、さまざまな経験を通して、食品ロスの課題や教育の大切さなど、新たな気づきと揺るがぬ哲学を深めることができたのかもしれません。

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福島さんは、SNSなどを通じて自分の考え方をしっかりと発信していくことが大切だと言います。事前に自分の考えを伝えておくことで、お客様と対等な立場をつくることができ、ニーズのアンマッチを防ぐことができる。そうすれば密度の濃い打ち合わせもでき、最終的な仕上がりの品質やお客様からの信頼につながっていきます。その成果を示すように、今の仕事のほぼすべてが紹介によるものだそうです。

福島さんには、地域にスーパーマーケットをつくりたいという構想もあるそうで、まずはco-opのように配達に特化し、食品ロスを減らしながら、農家から直接届く良いものだけを厳選して届けていきたいと語ってくれました。ますますワクワクする今後の展開にも注目です。

おいしい料理と語らいタイム

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福島さんのお話の後は、Tiger Yummy Kitchenのおいしいケータリングに舌鼓を打ちながら懇親会がスタート。

実はTiger Yummy Kitchenを手掛ける料理家の脇坂佑美さんもanima garageのご近所さん。福島さんの想いは、地場の意識を同じくする人たちに響き、呼応するようにさまざまな人が集まる場所になりつつあります。

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最近では、地域に縁のあるクリエイターや音楽家も福島さんを訪ねてくるようになり、新たなコラボレーションも生まれているそうです。土地の文化や雰囲気がつないでくれる縁があることも、東東京が持つ大きな魅力のひとつかもしれません。

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参加者の中には、福島さんと同じように電気関係の仕事に従事する人の姿も。日々のリアルな悩みや夢などを共有する機会にもなったようです。

福島さんのサービス精神旺盛なトークのおかげもあり、イベントは終始和やかな雰囲気で進行。楽しい語らいの最後には参加者のみなさんで記念撮影をしました。今回もたくさんのご参加、誠にありがとうございました!

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この記事を書いた人

星野智昭

コピーライター。群馬県桐生市に住み、東京とのデュアルライフ実践中。ものづくり支援が盛んな東東京の先進的な取り組みを、繊維産地である地元企業のブランディング、販促支援にフィードバックすべく送り込まれたスパイ。