東東京での創業やプロジェクトを後押しする「Eastside Goodside(イッサイガッサイ)東東京HUB」主催のトークイベント「乾杯tonight」を、9月14日(木)に開催。
第2回目となる今回は、株式会社HAGI STUDIO代表取締役の宮崎晃吉さんと、株式会社Backpackers’ JapanでCOOを務める宮嶌智子さんをお迎え。「これからの場づくりに必要なことって何ですか?」を主なテーマとしてお話しいただきました。
【会場】
SOOO dramatic!(東京都台東区下谷1-11-15)
http://sooo-dramatic.com/
【ゲスト/ファシリテータ】
宮崎 晃吉 氏 (株式会社HAGI STUDIO 代表取締役)
宮嶌 智子 氏 (株式会社Backpackers’ Japan COO)
今村 ひろゆき 氏(まちづくり会社ドラマチック代表)
【タイムテーブル】
18:30-19:00 会場受付
19:00-19:10 イッサイガッサイ説明
19:10-19:45 ゲストの自己紹介及び運営する場についてのご紹介
19:45-20:20 ディスカッション
20:30-21:00 交流会
今イベントの幕開けは、企画を主催する「Eastside Goodside(イッサイガッサイ)東東京HUB」についての説明から。運営企業の代表であるメトロ設計の小林一雄さんより、東東京の「ヒト」と「モノ」と「バ」をつなげて創業者をサポートし、東東京をワクワクする地域に変える創業支援ネットワークという説明が行われました。
ファシリテーターであり、まちづくり会社ドラマチック代表の今村ひろゆきさんの進行の下、いよいよ本題に入っていきます。
と、その前にゲストの宮崎さんと宮嶌さんを呼び込み、約65名の参加者と一緒にまずは乾杯! イベント開始早々、会場は熱気に包まれていました。
乾杯直後のアイスブレイク。周りの参加者に自己紹介をしあったりと、和気あいあいとした雰囲気が漂います。
築60年の木造アパートを改修し、カフェやギャラリー、レンタルスペースを併設する谷中の「HAGISO」を手掛ける宮崎さんからお話しをお聞きします。
2004年より東京藝術大学の学生たちが、アトリエ兼シェアハウスとして使用していた「萩荘(現・HAGISO)」は、2011年の東日本大震災をきっかけに解体することになっていました。ところが宮崎さんをはじめとした入居者たちの最後のお願いとして、グループ展「ハギエンナーレ2012」を開催したところから、「HAGISO」の物語がスタートするのです。
たった3週間の展示期間で集めた人数は1500人。この反響の大きさにから解体はなくなり、「HAGISO」をオープンすることになりました。
そして2015年には、8年間も空き家だった建物を、まち全体を1つの大きなホテルに見立てた宿泊施設「hanare」に変身させた宮崎さん。通常の飲食事業などとは異なり、建物ありきでコンセプト立案まで進めることをお話もされていました。
続いてBackpackers’ Japan COOの宮嶌さん。仲間4人でたい焼き屋を展開した後、Backpackers’ Japanを設立されたヒストリーをお伺いします。
入谷のゲストハウス「toco.」や蔵前の「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」を運営するBackpackers’ Japanの強みは、なんといっても自らの体験をベースに場づくりをしていること。
会社を設立した直後から世界一周の旅に出かけ、現地での調査を重ねてきた宮嶌さんたちは、旅人の気持ちをより深く理解し、コンセプトがぶれることなくいくつものゲストハウスを展開していったそう。
お2人の自己紹介が終わったところで、今村さんの進行でディスカッションが始まりました。
テーマは、「場を持つことの喜びや大変なこと」について。
ズバリ「人」と答えた宮崎さん。「運営していくスタッフの間で、同じ気持ちや価値観を共有していくことの大変さ。面白いのは、場所があることで引き寄せられてきた人たちが、同じ価値観を持っていたりすること」と話しました。
一方、仲間で会社を立ち上げた宮嶌さんは、「一緒に働くことは遊ぶこととは全然違うから、大変だったなと思います」と振り返りました。面白いこととしては、「自分の箱だからどうとでも使えること。自分次第でいろんなことができることです」と答えました。
ディスカッションの後は、参加者同士で本日の感想をシェア。場づくりを始めたいという人も多く、運営する際のヒントになったのではないでしょうか。
Q&Aのコーナーでは、「場づくりにおけるデザインのディテールで気を付けているポイントは?」といった質問が投げかけられました。
かなり悩んだという宮嶌さんは、「宿業は初期投資のかかる業態。ということは、10年後もそのままでいなきゃいけないということ。そのためにシンプルで飽きのこないものを意識しました」と回答しました。
それに対して「やりすぎないこと」と宮崎さん。続けて「デザインしすぎちゃうと、つけ入るスキがなくなっちゃうんです。もちろん元々、その場が持っている遍歴はいつも気にしていて、僕たちがその先にどうやって使っていくのが最良かは考えますね」とも。
古くからある建物に、新しい価値観を吹き込む2人。そのディテールに少しでも触れられるのは、貴重な機会になったのではないでしょうか。
イベントの締めくくりは、ゲストと参加者たちとの交流会。意見を交換し合ったり、感想をシェアしたりと会話が弾んでいきます。
ケータリングは、SOOO dramatic!のご近所さん「やきとり たけうち」と精鋭なるお菓子たち。お酒も食事も進みます。
参加者のみなさんとゲストとの集合写真。「イリヤ〜!」のポーズでみんな一様に笑顔に。たくさんのご参加、どうもありがとうございました!